Windows11がリリースされ、人柱になった人たちからいろいろと不具合報告が上がっている。
そんな中で個人的に気になったものピックアップします。
今回は既に上がっていたAMD製CPUを搭載しているPCでWindows11にするとパフォーマンスが低下する問題がソフトウェアアップデートでさらに悪化した話になります。
問題は根深いのかもしれない・・・
RyzenのL3キャッシュの遅延
Windows11が10月5日のリリースされた直後に、AMDとMicrosoftは共同でWindows11がAMD Ryzenプロセッサ向けに最適化されていないことを発見しました。
そう、リリース時から既に、AMD製のCPUを搭載マシンには不安があったのです・・・
症状としては、L3キャッシュの待ち時間が増加し、UEFI-CPPC2(優先コア機能)が機能しなくなるというもの。
直ちに、修正に取り掛かり、10月12日のアップデートで対処するとAMDはSNSで声明をだすも・・・・
状況はさらに悪化した・・・
一応、L3キャッシュ遅延のバグは、Windows Updateチャネルを通じて修正され、そのリリースは10月19日に予定ですがどうなることやら・・・
2度あることは3度あるなんてことにはならないといいが・・・・
L3キャッシュとは何?
CPUのスペックを見ると「キャッシュ」と記載されていると思います。最近はL3キャッシュの容量が増えCPUの性能も比例して向上しています。
キャッシュ容量だけがCPUの性能を決めるわけではないですが、重要な部分でもあります。
簡単に「キャッシュ」を説明すると「CPU内部の記憶装置」とでもいいましょうか。
CPUが処理するデータはキャッシュとメモリ(RAM)に格納されます。
キャッシュ内に処理データを補完することでメモリ(RAM)にアクセスすることなく高速に処理できるようになります。
そして、キャッシュにはL1、L2、L3というようにレベル分けされています。
L1からCPUの処理部分に近く、L3は遠くなります。
もちろん、容量も変わってきます。L1<L2<L3の順で大きくなる
ここで疑問になるのが、処理部分に近いL1のほうが容量が少ないの?という疑問ですが、これは簡単な話で容量が増えれば増えるほどデータ検索・抽出に時間がかかるためです。なので階層分けしそれぞれのキャッシュ階層に役割を持たせてるわけです。
階層を分かりやすく説明すると
よく使うものは机の引き出しに(L1)
よく使うが大きい物は棚に(L2)
束になった資料は倉庫に(L3)
といった感じでしょうか。
どのぐらい低下する
一般の人からするとL3キャッシュが遅延したといわれても、どの程度パフォーマンスが低下するのか分かりにくい・・・
症状としては、「L3キャッシュの遅延が最大3倍大きくなる」、「優先コア機能が機能しなくなる」になるが、これは利用するアプリケーションによってことなるようで、メモリサブシステムの遅延の影響を受けるアプリケーションの場合3%~5%ほど低下、優先コア機能が働かないことでCPUスレッドのパフォーマンスに敏感なアプリケーションの場合パフォーマンス低下につながるようです。
書きながら「なんのこっちゃ」と思ってしまう・・・
焦らずしばらく待とう
AMD製CPUを搭載したPCを利用している人は今は、焦らずまとう。
予定としては、L3キャッシュ遅延バグは10月19日、優先コア機能が働かないバグは10月21日に対応予定となってます。
数多くあるCPUなどに対応するのも大変だとは思うけど
それにしても、満を持してだしたOSもこんな不具合あると困りますね。
追記
この問題に「Windows 11 build 22000.282」で対応されたとのこと
AMDは、「Zen 3」「Zen+」「Zen 2」の各アーキテクチャーを採用しているPCでこの問題が修正されていることを確認する方法を以下のように説明している。
- Zen 3アーキテクチャーのAMDプロセッサーの場合:AMD Chipset Driver 3.10.08.506(またはそれ以降)で構成されたシステムでは、Windows 11プロビジョニングパッケージのインターフェースで「AMD.Power.Processor.Settings」項目のバージョンが7.0.3.5(またはそれ以降)と表示されている必要がある。
- Zen+またはZen 2アーキテクチャーのAMDプロセッサーの場合:AMD Chipset Driver 3.10.08.506(またはそれ以降)で構成されたシステムでは、「コントロールパネル」>「電源オプション」のインターフェースで「AMD Ryzen Balanced」の電源プランが選択され、有効になっている必要がある。
参照元:Cnet japan