Appleの発表会(11/10)に自社製のSoC(System-on-a-Chip)が登場しました。
Apple Siliconの「M1」チップです。
ようはCPUです。CPUと聞くと思いつくのはIntelやAMDになってくるのですが、Mac系のパソコンはもともと、PowerPC系のCPUと搭載していたのが、Intelに変わった形です。
そしてこの度、独自開発の「Apple Silicon」へ移行したMacBookが登場するようになったわけですね。
独自開発で大丈夫?と思ってしまうかもしれませんが、AppleもCPUの開発は10年以上やってます。
iPhoneやiPadに搭載されている「A○○」チップは世代を重ねるごとにパフォーマンスを改善しています。
今回搭載されるApple Siliconの「M1」チップはAシリーズチップを強化したものになります。
iPadはPCと引けを取らない処理能力とGPUを備えてますので、それをベースにMac用のチップを開発するのも頷けます。
しかし、MacBookを利用しているユーザーは喜んでばかりはいられない・・・・
Apple Silicon搭載MacBook登場したなら、すぐに買って試したと思うかもしれませんが、ちょっとまったほうがいい。
今回はその理由を紹介したいと思います。
※あくまでも個人の見解です。決して買うなといってるわけではありません|д゚)
Boot CampでのWindowsが利用できない
Apple Silicon搭載MacBookではBoot CampでのWindowsをインストールすることができないことが明らかになってます。
仕事でMacBookを使っている人は結構やっている人がおおいBoot Camp、Windowsでしか動作しないアプリケーションを動作させるためにこのような手を使っている人がいるがApple Silicon搭載MacBookではサポートされていない。
また、仮想化ソフトウェアの「VMWare」や「Parallels」といったソフトウェアもサポートされていない。
WWDC 2020の発表の中で仮想マシン上でLinuxを動作させるデモンストレーションを披露していたので、今後一切サポートがないというわけではないかもしれないが、現時点ではBoot CampでWindowsをインストールすることはできない。
Boot Camp側でなにか対応すれば解決されるのではと思うがそうでもない・・・
そもそも、MicrosoftはARMベースの新しいハードウェア上にWindows 10をプリインストールすることだけをライセンスしているので、MicrosoftがARMベース(M1)のMacのためにライセンスモデルを変更するのか不明です。
現行のiPadにWindowsがインストールできないのと同じ感じですね。
Microsoft次第ではWindowsも動作する
2020年11月21日追記
「M1」チップ搭載Macですが、Appleの幹部は「Arm版Windows 10を動作させることは技術的に可能である」と認めています。
しかしそれを実現するのは「Microsoft次第だ」とも言ってます。
上記に少し書いていいるが、Microsoftは、OSをプリンストール用にPCメーカーにライセンスするだけで、個人が自由にインストールできる製品やライセンスは提供していない。
Microsoftは、「OEMのみにライセンスしています」としか言わない・・・
将来的には提供されるかもしれないが、すぐにはいかないでしょうね。
Office for Macは利用できると思われる
同社のApple製品担当主席エンジニアであるエリック・シュウィーバート氏が自身のTwitterアカウントへの投稿
MSFT plans to push a Universal build of Mac Office 2019 to the Beta Channel (formerly “Insider Fast”) by the end of today.
We don’t have a public date or version for a final release; this is an initial peek for customers to test on hardware they may be acquiring this week… 🙂
— Erik Schwiebert (@Schwieb) November 11, 2020
「Microsoft Office For Mac」の最新β版を公開したわけですが、x64向けバイナリに加えて、Apple Silicon向けバイナリもセットにした「Universal 2」形式になっているそうです。
ただ、初回実行時はバイナリ変換が必要なため、起動までに時間がかかるとのこと・・・
日本語のファイルだと文字化けしそうだな・・・
MicrosoftのOfficeアプリがM1 Macにネイティブ対応
2020年12月15日MicrosoftがOfficeアプリやクラウドサービスをまとめた「Office 365」のMac版をアップデートしてM1 Macにネイティブ対応させたと発表しています。
また、Mac版Microsoft 365の外観とUIもmacOS Big Surと一体感のあるものに刷新されています。
海外ニュース記事はこちら
※Microsoft TeamsはM1 Macにネイティブ対応はまだです。
YouTubeやFacebookアプリが使えない?
海外メディアで報道されていたのですが、YouTubeやFacebookアプリが利用できないおそれがあると言われてます。
海外報道記事はこちら
Appleの独自開発のプロセッサ「Apple Silicon」ですが、iPhoneやiPadと同系列のプロセッサなので、iOS向けアプリも動作するでしょと個人的に思っていたのですが、実際はiOSアプリでもiPhone用とiPad用で分かれていたり、Mac App Storeから欠落していることもあるので、iOSアプリの開発元がApple Silicon向けのアプリを提供しないことにはどうにもならない。
なので、iPhoneでは利用可能な「YouTubeアプリ」「Googleマップ」「Googleドライブ」「Gmailアプリ」といったGoogle製アプリがApple Silicon搭載MacBookでは利用できない可能性があります。
ただ、こちらも、開発元がApple Silicon向けのアプリは作らないと言っているわけではないので、その内利用できるようになるかもしれません。
Adobe系ソフトはより洗練されるかも
Macを仕事で使う人の中には、Adobe系のソフトウェアを利用したクリエイティブな人たちも多い。
既にiPadでもAdobe Creative Cloudが利用できるので動作には問題ない。
AdobeにAppleも協力しており、既にCreative CloudがApple Siliconを搭載したMac向けに最適化されているそうです。
また、Apple SiliconがiPadやiPhoneと同系列のCPUになることで、Mac・iPad・iPhoneで同じコードを利用した作業が可能になるそうです。
クリエイティブな作業をMacで行っている人にとっては朗報になるでしょう。
Apple Silicon搭載MacBookすぐ買う必要はない理由まとめ
Appleは2年をかけてMac全ラインアップをApple Siliconベースにする計画のようですが、Intelプロセッサを搭載したMacのサポートとOSのアップデートは続けられるそうです。
また、新しいIntel製Macも販売する予定だそうなので、Intel製Macが絶滅するということはないと思います。
今回上げた理由をまとめると
- BootCampできない
- サードパーティ製アプリが使えない可能性
- Microsoft Office For Macでの互換性
仕事で使うにはまだまだ、デメリットが多そうではあるが、あくまでも、時間がたてば解決する可能性があるものばかりです。ソフトウェア開発元がApple Silicon向けにアプリケーションを作るにはしばし時間が必要ということです。
しかしなんでしょうね。iPhoneやiPadなどはPCに近づいたと思ったら、PC側がiPhoneやiPadに近づいてきましたね。その内、境界線がなくなるのかもしれないなぁ。