ADHD(注意欠陥・多動性障害)を告白する芸能人も多くいます。
自分ももしかすると、なんて思ったり、巷では、ADHD診断なるものも多くあります。
ただ、ADHDの診断に関しては、単独で診断ができるような確立した医学的検査はなく、問診や行動観察、心理検査などを通して総合的に行われますので、気になる方は専門の医療機関へ相談してください。
米USC Keck School of Medicineや米UCSDなどに所属する研究者らが2018年に発表した論文
「Association of Digital Media Use With Subsequent Symptoms of Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder Among Adolescents」
を紹介したいと思います。
疑問:思春期のADHD症状の発生と関連性
SNSなどの現代デジタルメディアを頻繁に使用することは、ADHDと関連しているのだろうか?
ベース15歳~16歳でADHDの症状がない青少年を対象に2年間追跡調査をした結果。
現代のデジタルメディアの使用頻度の高さとその後のADHDの症状との間に有意な関連性が認められそうです。
ただし、この関連性が因果関係にあるかどうかを評価するには、さらなる研究が必要とのこと。
調査方法
学生は過去1週間に14のメディア活動のそれぞれにどのくらいの頻度で参加したか (0、週に 1 ~ 2 回、1 日に 1 ~ 2 回、1 日に何度も) を示すように求め、各回答は、高頻度 (1 日に何度も) とその他の頻度レベル (0、週に 1 ~ 2 回、1 日に 1 ~ 2 回) に二分され、0 から 14 の範囲の累積メディア使用指数に合計する。
半年ごとに計4回の2年間、学生たちに18の質問を行い、ADHDの症状がどの程度現れているかを評価した。
例えば「課題を順序立てて完成させることが難しい」(不注意の症状)や、「じっとしていることが難しい」(多動性・衝動性の症状)など
分析結果
デジタルメディアを高い頻度で使っていると回答した生徒ほど、その後の2年間でADHDの症状が現れる可能性が高いことが分かった。高頻度で使っているメディアが1つ増えるごとに、ADHDの症状が出るリスクが上昇した。
ただし、この結果はデジタルメディアの使用が直接ADHDを引き起こすことを証明したわけではない。また、もともとADHDの傾向がある生徒が、いたという可能性も考えられる。