2026年3月、Appleはこれまでにない価格帯のMacを発表した。その名もMacBook Neo。最安599ドル(約94,100円)から手に入るこのノートPCは、ChromebookやWindows入門機に真っ向から挑む製品として設計されている。
最大の話題はチップだ。MacBook Neoに搭載されたのは、Mac専用のM系チップではなく、iPhone 16 ProでおなじみのA18 Pro。Mac史上初めてiPhoneファミリーのシリコンが搭載されるという異例の選択となった。

価格ラインナップ
3月5日よりプレオーダー開始、3月11日から店頭販売・出荷が始まる。
| モデル | 価格(USD) | 円換算(約) |
|---|---|---|
| 教育割引モデル | $499 | 78,500円 |
| スタンダード(256GB) | $599 | 94,100円 |
| アップグレード(512GB + Touch ID) | $699 | 109,800円 |
※ 1ドル=157円換算(2026年3月5日時点)。日本での実売価格は異なる場合があります。
スペック
| チップ | Apple A18 Pro(6コアCPU / 5コアGPU) |
| メモリ | 8GB(増設不可) |
| ストレージ | 256GB / 512GB SSD |
| ディスプレイ | 13インチ Liquid Retina(2408×1506、500nit) |
| バッテリー | 最大16時間 |
| 重量 | 約1.22kg |
| ポート | USB-C × 2、ヘッドフォンジャック |
| 外部ディスプレイ | 4K 60Hz × 1台(左USB-Cのみ対応) |
| Wi-Fi / Bluetooth | Wi-Fi 6E / Bluetooth 6 |
| カメラ | 1080p FaceTime HD + ビームフォーミングマイク |
| スピーカー | Dolby Atmos対応ステレオ |
| カラー | シルバー、インディゴ、ブラッシュ、シトラス |
筐体はリサイクルアルミニウム製で、リサイクル素材の比率はApple製品史上最高の60%を達成している。
とはいえ、本家MacBookよりチープ感はある。また、このご時世でメモリ8GBってのもなんとも不安をもつ・・・
A18 Pro チップの性能
A18 ProはiPhone 16 Proと同ファミリーのシリコン。Intel Core Ultra 5搭載の一般的なWindowsノートPCとの比較では、日常タスクで最大50%高速、写真編集で最大2倍高速、オンデバイスAI処理では最大3倍高速とされている。
ただし、Mac専用のM系チップと比べると差がある。メモリ帯域幅は60GB/sで、MacBook Air(M5)の約半分。動画編集や機械学習などの重い作業には物足りなさを感じる場面も出てくるだろう。日常用途なら十分、プロ用途には向かない——そういう立ち位置の製品だ。
デザインと使い心地
見た目はMacBook Airに近い13インチのアルミ筐体。ただし細部にコストダウンの跡が見える。トラックパッドはForce Touchではなく通常クリック式で、キーボードにバックライトがない。ベゼルもMacBook Airよりやや太め。MagSafeもなく、充電はUSB-C経由のみとなる。
1080p対応のFaceTimeカメラ、Dolby Atmos対応スピーカーなど基本的な体験は妥協していないが、細かい利便性の面ではやはりMacBook Airに軍配が上がる。
MacBook Air M5との比較
| 項目 | MacBook Neo | MacBook Air M5 |
|---|---|---|
| 価格 | $599〜(約94,100円〜) | $1,099〜(約172,600円〜) |
| チップ | A18 Pro(iPhone系) | M5(Mac専用) |
| メモリ帯域幅 | 60GB/s | 120GB/s |
| バッテリー | 最大16時間 | 最大18時間 |
| MagSafe | なし | あり |
| Touch ID | $699モデルのみ | 標準搭載 |
| キーボードバックライト | なし | あり |
| Force Touch トラックパッド | なし | あり |
まとめ
MacBook Neoのターゲットは明確だ。初めてMacを買う学生・若年層、ChromebookやWindows入門機からの乗り換えを検討している人、Macのエコシステムに興味はあるがMacBook Airは高すぎると感じている人——そういった層に向けて、これほど明確なメッセージを持った製品はAppleにとっても珍しい。
ヘビーな写真・動画編集、MagSafeの利便性、バックライト付きキーボードにこだわる人には、差額を払ってMacBook Airを選ぶ価値がある。しかし普段使いのMacとして約9万4,000円から手に入るという事実は、Mac市場に新しい扉を開く製品として十分に意義深い。
「安いMac」ではなく「目的に特化したMac」。日常用途の入門機として、MacBook Neoは完成度の高い選択肢かもしれない。
ipadより上でMacBookより下といったところだろうか。
