回線契約もルーターも申し分ないはずなのに、なぜかWi-Fiの速度が思ったより出ない。そんなときは、ルーターやプロバイダーではなく「Windows側の設定」が原因になっていることがあります。省電力機能や自動制御によって、知らないうちに通信が制限されているケースは意外と多いものです。ここでは、Wi-Fi速度改善に効果的な5つのWindows設定を紹介します。
ローミングの積極性を下げる
Windowsは常に「もっと良い電波の接続先」を探しており、これが原因で不要なバンド切り替えが起きることがあります。特にルーターから少し離れた場所にいると、実際には5GHz帯の方が速いにもかかわらず、電波強度だけを基準に2.4GHz帯へ切り替わってしまうことがあります。
この動作を抑えるには、ローミングの積極性を下げるのが有効です。
- 「デバイスマネージャー」→「ネットワークアダプター」を開く
- Wi-Fiドライバーを右クリックして「プロパティ」を選択
- 「詳細設定」タブを開き、「ローミングの積極性」の項目を探す
- 値を「最低」に設定する
省電力機能をオフにする
Windowsは初期設定でWi-Fiアダプターを省電力モードにしていることが多く、これが通信速度を静かに落としている場合があります。同じ「詳細設定」タブから、以下の項目も見直してみましょう。
- 「電源の管理」または「Power Saving」の値を「無効」に設定する
- 「送信電力レベル(Transmit Power Level)」の値を「最高」に設定する
送信電力レベルは、アダプターがどれだけ強く電波を発信するかを決める項目で、最大値以外に設定していると速度を損している可能性があります。
MIMO/SMPSの省電力設定をオフにする
MIMOパワーセーバーは、必要ないと判断された際にアンテナの一部を休止させる機能です。通常は「Auto SMPS」に設定されており、状況に応じてWindowsが自動でアンテナ数を切り替えますが、この自動判定がうまく機能しないケースもあります。
- 「詳細設定」タブから「MIMO Power Save Mode」を探す
- 値を「No SMPS」に設定する
- RealtekやMediaTek製ドライバーの場合は「Power Saving Mode」や「802.11 Power Saving」という名称になっていることがあるので、その場合は「無効」または「最大パフォーマンス」に設定する
この設定を変更すると、常時給電されていない環境ではバッテリー消費がやや増える点には注意が必要です。
優先バンドを5GHzに設定する
多くのルーターは2.4GHzと5GHzの両方を発信していますが、基本的に5GHz帯の方が高速で遅延も少ない傾向があります。ところがWindowsは速度よりも電波強度を優先して接続先を選ぶため、5GHzが使える環境でも2.4GHzに繋がったままになることがあります。
- Wi-Fiアダプターのプロパティを開く
- 「詳細設定」タブの「優先バンド(Preferred Band)」または「バンド選択(Band Selection)」を探す
- 「5GHz優先」に設定する(Wi-Fi 6E/7ルーターを使っている場合は「6GHz優先」でもよい)
この設定により、通常時は5GHzに接続しつつ、電波が弱くなった場合のみ2.4GHzへフォールバックするようになります。
チャンネル幅を見直す
チャンネル幅は、通信に使う周波数帯域の広さを決める設定です。幅が広いほど速度は上がりますが、その分他の電波との干渉も受けやすくなります。多くのルーターは「自動」設定になっていますが、実際には安全策として20MHzのような狭い幅で固定されていることも少なくありません。
- ブラウザでルーターの管理画面を開く(IPアドレスは通常192.168.0.1または192.168.1.1)
- 管理者アカウントでログインする
- 「チャンネル幅」の項目を探し、「160MHz」に設定する(選べない場合は「80MHz」)
ただし、チャンネル幅を広げると周囲の電波干渉次第では接続が不安定になることもあります。速度が不安定な500Mbpsより、安定した300Mbpsの方が実用的な場合も多いため、改善が見られなければ元の設定に戻すことをおすすめします。
まとめ
Wi-Fiが遅いと感じたとき、原因はルーターだけでなくWindows側の省電力設定や自動制御にあることも珍しくありません。今回紹介した5つの設定は、いずれもデバイスマネージャーやルーター管理画面から数分で変更できるものばかりです。すべてを試す必要はなく、自分の環境に合いそうな項目から順番に見直してみるとよいでしょう。
