ここ数年で爆発的にトラフィックが伸び、それを支える設備投資が追い付ておらず、ユーザーからのクレームが増加している。
IPが枯渇するだのトラフィック問題はインフラ事業者の口癖のようになっている気もするが、ここ数年で動画配信サービスやSNSは確実に増えた。
youtubeやLine、Twitter利用しているユーザーは多い。
これも、スマホの普及が起因していると思われる。それにより1人あたりのトラフィックは、増加の一途をたどっている。
国内のトラフィック急増するばかり
総務省が2018年8月に公表した「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算」を見ても、2014年から2015年辺りから国内総トラフィックは急上昇している。
赤のグラフが契約者の総ダウンロード、2012年頃から徐々に増え2015年から毎年3~4割のダウンロードトラフィック増を記録している。
2012年はニコニコ動画の生放送などのサービスも始まり、インターネットを使って、情報を発信する人も増え、また、それを視聴する人も増えたこともあると思わる。
ここまで急激なトラフィック増を招いているのか。三菱総合研究所がまとめた総務省資料「インターネットトラヒックの現状」をみると、総トラフィック量のうちコンシューマ向けトラフィックが全体80%とされている。
また4K等の高画質、スマホ、テレビの接続増大によりう映像トラフィックもさらに増大すると予想されています。
定額料金で見れる動画配信サービスはお金をきにしないでいいので、流しっぱなしにしてたりしますよね。
動画配信サービスだけが原因ではない
上のグラフを見てほしい『「ネットワークの中立性」にかかる検討事項』から抜き出したトラフィックを表すグラフなんですが、赤〇の部分がトラフィックが突出している。
これらは、iOSのアップデートやWindows Updateによるトラフィック増によるもの。
特に毎月定期的に実施されるWindows Updateの日には、サポート窓口への苦情が増えるそうです。
プロバイダーとしては、頭痛の種の1つになる。
このままでは、従量課金制になるのか?
極端な話かもしれないが、これだけ爆発的にトラフィックが増えてる状態であれば、プロバイダーは従量課金にした方が儲かる上にトラフィックを抑えることができる。
そして、現在各プロバイダーの新規契約数はほぼ頭打ち状態で固定制では大きな収益増が見込めない。
インフラを整備し増やせばまだ、問題ないはずだが、そうならない・・・・
プロバイダーのネットワークとNGN(Next Generation Network)網を相互に接続する「網終端装置」の増設問題がある。
網終端装置とは
NTT東西の「NGN網」を通って、お使いのプロバイダと接続しインターネットへ抜ける仕組
日本プロバイダー協会の資料「インターネットの速度低下における主な課題と当協会の取り組みについて」から抜粋
NTT東西の局舎内に設置してあり収容セッション(ユーザーからの接続)数に応じ、段階的なメニューが準備されている。
例えば、C型は8000セッション、C-50型は5000セッション。C-20型は2000セッションといった形だ。
プロバイダーは、自社ユーザー数や利用状況に応じて、網終端装置を複数契約する。
実は、近年のトラフィックの急増でこの網終端装置が大きなボトルネックになっているという。
ならこれを増やせばええやんという話なんだが、そう簡単な話ではない。
「網終端装置」はNTTが管理しているため、プロバイダーが増やすことができない。
NTT東西は、網終端装置に「増設基準」というのを設けており一定のセッション数を超える見込みがないと増設には応じてくれないようになっている。
が、1人あたりのトラフィックが急増しているのに、セッション数を基準としたルールが時代遅れ・・・
本来であれば、トラフィックを基準にした増設を実施すべきだと思う。
国内の回線はすでに限界に近いところにある・・・・