子供のうつ病、ネットのせいではなく、親からの過剰な干渉が原因という研究結果

エンタメ

インターネット、特にSNSが子供のメンタルヘルスに悪影響を及ぼす。と言われています。
アメリカではInstagram,FaceBookは子供のメンタルヘルスに害を与えるとして、司法長官グループが開発元Metaを訴えています。
しかし、どうやら子供のうつ病を引き起こす原因は別にあるという研究結果が公開されています。

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親の過干渉(ヘリコプターペアレント)

SNSよりも子どもの生活のあらゆる側面を絶えず監視し干渉する「ヘリコプターペアレント」の方が、子どものうつ病を引き起こす原因になっているという研究結果が公開されました。

ヘリコプターペアレントとは
教育機関における、子ども自身のことや、その経験、問題に対し、過剰なまでの注意を払う親を指す。この名称は、ヘリコプターのように「頭上をホバリング」し、子どもの生活のあらゆる側面を絶えず監視している様子から名付けられた。ヘリコプターペアレントは、社会的交流を含めた生活のあらゆる面において、子供を厳格に監督することが知られている
参照元:wiki

小児科関連の査読付き医学誌のThe Journal of Pediatricsに掲載された最新の研究では、ソーシャルメディア以上に子どものメンタルヘルスに悪影響をおよぼす可能性のある要因を特定することに成功。

同研究によると、子どものメンタルヘルスに悪影響をおよぼしているのは、ソーシャルメディアよりもヘリコプターペアレントだそうです。

近代の子供は自立した移動ができない

子どもが大人の付き添いなしで近所や町を移動する能力である「自立した移動能力」に焦点が当てた先行研究を分析では、1970年から1990年にかけて、子どもの自立した移動能力が大幅に減少しているそうです。

親が小学生の子どもに与える「許可」に関する調査によると、イギリスで小学生が学校からひとりで歩いて帰る許可が与えられる割合は、1971年時点では86%だったにもかかわらず、1990年には35%、2010年には25%まで減少していることが明らかになっています。また、公共バスの使用許可が与えられる割合は、1971年は48%、1990年には15%、2010年には12%にまで減少しているとのこと。

さらに、2010年から2012年にかけて実施された16カ国での子どもの「自立した移動能力」を比較した別の研究では、フィンランドが子どもに自立した移動能力を多く与えている国として際立っていることが明らかになり、同研究では、フィンランドの子どもたちは7歳までに徒歩圏内を自由に移動したり、自転車で移動したりすることができるようになり、8歳までに大多数が幹線道路を横断する許可を得たり、学校からひとりで帰宅したり、暗くなってからひとりで外出したりする許可を得ているそうです。
9歳までには大多数が自転車で幹線道路をひとりで走行できるようになり、10歳になると大多数が路線バスを使って移動することが可能となるようです。

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幼少期の経験が人生の幸福度に影響する

成人に幼少期の経験を回想させるという研究では、幼少期に独立した活動を許可されていた人は、その後の人生における幸福度が高いことも明らかになっているそうで、小学生時代に自由で冒険的な遊びをたくさん行ったと回答した人は、そういった経験が少ないと回答した人と比べ、社会的に成功している確率が高く、自尊心が高く、成人後の全体的な精神的および肉体的健康が良好であると評価されるそうです。

別の類似研究でも、小児期の自由遊びの量が成人後の社会的成功および目標の柔軟性(生活条件の変化にうまく適応する能力)の尺度と正の相関関係があることも明らかになっています。

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親による過保護度と過剰管理

大学生の親の過保護度合や過剰管理の度合いを評価した研究では、過保護な子育てスタイルと不安やうつ病の度合いには、正の相関関係があることが明らかになっています。

干渉の多い親の子どもは、うつ病になりやすいというわけです。

SNSは関係ないのか?

ソーシャルメディア規制を推進する人々は、10代の若者の自殺率に関するグラフを引用し、「自殺率の上昇がソーシャルメディアの台頭と相関している」と主張しているが・・・

グラフは15~19歳の若者の自殺率を示したグラフで、ソーシャルメディアが台頭し始める2000年以降、男女ともに自殺率が上昇し続けていることがしめされている。しかし、

2000年以前にまでさかのぼると、1970年代から1990年代前半にかけて自殺率が大幅に増加し、その後、2000年までにかけて一気に自殺率が急降下している。
このことからも、SNSが子どものメンタルヘルスの悪化につながっていると言い切ることもできないわけで、他の要因が関与している可能性が高い。

 

裏付けるものがないのが現状

若者のメンタルヘルスに関する議論にSNSの役割に焦点を当てた研究が多くされているが、現状は被験者がモニター(スマホ含む)を見ている時間やSNSを利用している時間がメンタルヘルスに悪影響につながるという主張ばかりで、相関関係があると裏付ける研究結果がほぼない。