iPhone13が発売されてからしばらくたちました。
販売されてすぐに、修理業者のiFixitがiPhone13 Proを分解し解析してました。
iFixitは新しい端末がでるとすばらく分解し中身を解析し修理のしやすさなど解説しています。
そのiFixitがいうには、「画面をサードパーティ製に交換すると顔認証のFace IDが機能しなくなる」と報告してました。
なんでそのなことになるのかと解析を進めその結果が明らかになったそうです。
今回はAppleという企業の恐ろしさを知る話になります。
新型Face ID特有の仕様が明らかに
iPhone13はこれまでのiPhoneにくらべ、液晶のノッチが小さくなりました。
投光イルミネーター(赤外線により顔を判別しやすくする)とドットプロジェクター(3万以上のドットを顔の上に投射してマッピングする)を1つにまとめた新型Face IDシステムとイヤホンのスピーカーを上部ベゼル内に移動させたことで約20%ノッチを小さくすることができたわけですが、そこにはさらに隠された機能がありました。
マイクロコントローラーによる制御
iPhone13が液晶交換でFace IDが利用できなくなるのは、実はマイクロコントローラーと画面が紐づいており、新たな液晶へ交換した際は、アップルが認定業者のみに使用を許可したソフトウェア「Apple Services Toolkit 2」を通じて、クラウドサーバーに修理の記録を残し、iPhoneと画面のシリアル番号を同期させることで、ようやく画面が動作するからだという。
もちろん、この「Apple Services Toolkit 2」には非公認の修理業者や一般ユーザーはアクセスできません。さらに、このソフトを通じてAppleが修理1つ1つを承認または拒否することができるそうです。
iPhone13の2021年の出荷台数の予想が2億500万台程度と言われていますが、それら1つ1つをAppleが把握しているというのだから恐ろしい。
抜け道もあるが至難の業
これでまで、工具さえあれば、交換できた液晶ですが、iFixitいわく、作業を行うには顕微鏡が必要になるとのこと。
まぁ私も過去に自分で液晶交換してちょいと失敗してるのですがね・・・
それはさておき、なぜ、顕微鏡が必要かというと、元の液晶から交換用液晶にハンダ付けされたチップを移植することでなんとかなるそうです。
こんな小さいの一般人には無理・・・
顕微鏡が必要なほどの細かな作業が発生するとなると、Appleの非公認の修理業者は設備投資するか、修理を断るかの2択に迫られます。これは売上に大きく影響してくるので大問題ですね。
Appleの認定とればええやんと思われますが、まず独立した修理業者と認定されなければなりません。この点は店舗をもって修理実績のある会社なら問題ないでしょう。その後オンラインでの試験を受け合格すれば、ようやく純正部品やツールを正規サービス業者と同じ価格で購入できるようになります。しかし、Apple Care対応の修理は行えない。
非公認の修理業者はサードパーティ製のパーツを安く仕入れて修理していたので、料金も安くできたわけですが、純正部品を使うとなるとそれなりにお値段がするので、料金も上がりますわね。また、「Apple Services Toolkit 2」を通じて顧客情報を教えているようなものなので、「顧客のプライバシーを重視する業者」にとっては、あまり使いたくないサービスともいえる。
とはいえ、非公認のまま修理を続けるにしても、顕微鏡を使うほどの細かな作業となれば、やっぱり料金を上げることになるでしょう。
ちなみにiPhone13の液晶交換をAppleでおこなった場合の料金は以下(保証対象外の場合)
iPhone 13 Pro Max | 42,680 円 |
iPhone 13 Pro | 36,680 円 |
iPhone 13 | 36,680 円 |
iPhone 13 mini | 36,680 円 |
iPhoneX以降は大体この値段です。Pro Maxだとスマホがもう一台買えそうな料金になります。
非公認の修理業者の場合まだiPhone13に対しては、料金が定まっていないようだったので、iPhone12で比較すると以下になります。
Apple | 機種名 | 非公認の修理業者 |
42,680 円 | iPhone12 ProMax | 24,800円 |
36,680 円 | iPhone12 Pro | 19,800円 |
36,680 円 | iPhone12 Mini | 22,800円 |
36,680 円 | iPhone12 | 19,800円 |
非公認の場合は店舗によって価格が違うでしょうが、Appleよりだいぶ安い。
これまでの流れだと、iPhone13とはいえ、12と同じぐらいの値段になるところが、チップを移植するという細かな作業のせいで、ヘタするとAppleで交換するより高くなる可能性だってでてきますね。
というか、できないと断られるのではないだろうか・・・・
Face IDが使えないだけなら問題ない?
Face IDは便利ですが、特に使っていないという人の場合は問題ないのだろうか。
一応、Face IDがなくても使えることは使えるが、最新バージョンのOSでは、エラーメッセージが表示されるそうで、毎回表示されるとちょっとうっとしい気もします。
修理する権利はどこまであるのか
アメリカでは、ユーザー本人や独立系の修理業者が「修理する権利」を推進しようとしています。
米連邦取引委員会が大手メーカーによる不当な修理制限に取り組んでいくことを全会一致で可決し、10月には米著作権局が修理に関するDMCA免除対象の拡大を勧告していました。
Appleはこうした流れに逆行する形をとってますが、今後Appleに対しての批判が高まるかもしれません。
ユーザーも不注意とはいえ、液晶を割ってしまった場合、修理費にとんでもな料金が請求されるのでより一層注意して使うべきでしょうね。
参考元:iFixit