音楽ストリーミングサービスが当たり前になった現代において、なぜか懐かしのカセットテープが静かなブームを迎えているのをご存知でしょうか?
現行アーティストまでもがカセットで新譜をリリースする時代。デジタルの便利さも良いけれど、アナログな音楽体験には特別な魅力があります。
海外では、テイラー・スウィフト、レディー・ガガ、ビリー・アイリッシュなど、日本ではカセットテープリリースにとても積極的な山下達郎を筆頭に、Vaundy、あいみょん、竹内まりあ、スピッツなどがカセットテープで新譜をリリースしている。
そんな中、カセットテープの老舗メーカー・マクセルが令和の技術で生まれ変わらせた最新カセットプレーヤー「MXCP-P100」を手に入れたので、実際に使ってみた感想をお伝えします。
製品概要:現代的な機能を備えたカセットプレーヤー
「MXCP-P100」は2025年5月に発売されたマクセルの最新カセットプレーヤーです。最大の特徴は、Bluetooth 5.4に対応したワイヤレス再生機能。充電はUSB Type-Cで約2時間でフル充電でき、ワイヤレス接続で約7時間の連続再生が可能です。
主な仕様
- サイズ: 幅122×高さ91×奥行38mm
- 接続: Bluetooth 5.4、3.5mm有線端子
- 充電: USB Type-C(約2時間でフル充電)
- 連続再生時間: 約7時間(ワイヤレス接続時)
- 価格: 1万円台
使用感レビュー:予想以上にクリアな音質
Bluetoothで驚きの音質体験
実際にBluetooth接続で聴いてみて最も驚いたのは、カセットテープの音が想像以上にクリアだったことです。私たちがイメージする「カセットらしいざらざらした音質」は、実はプレーヤー側のアンプなど機器の影響が大きく、カセットテープ自体の音質は意外と高品質なのかもしれません。
「カセットならではの音」に慣れた耳には少しきれいに聴こえすぎるかもしれませんが、使いやすさの面では圧倒的なメリットがあります。もちろん、従来の3.5mm端子での有線接続も可能なので、好みに応じて使い分けができます。
携帯性について
サイズ感はそれなりに大きく、デニムのポケットには入りませんでした。背面にクリップが付いていますが、挟む力はそれほど強くないため、ポケットやカバンに挟んでいると落ちてしまう可能性があります。持ち運びやすさという点では課題がありますが、それでも持ち運びたくなる見た目の魅力と機能性を備えています。
カセットテープならではの楽しみ方
物理的な操作が生み出す特別な体験
カセットテープの醍醐味は、聞きたい曲を選ぶために物理的にテープを入れ替える「カシャッ」という動作にあります。このプレーヤーにはオートリバース機能がないため、片面を聴き終わったら「カチャッ」とカセットをひっくり返してもう一方の面を聞く必要があります。
この一見面倒に思える動作が、実は音楽に向き合う気分を高めてくれる重要な要素なのです。
視覚的な楽しみも
カセットテープの魅力は音だけではありません。テープ本体のカラーバリエーション、ジャケットデザインなど、目で見て楽しめる要素も豊富です。音楽を聞かないときでも、コレクションとして楽しむことができます。
目に見えない音楽を実際に手にできるという贅沢さ、これはストリーミングサービスでは味わえない特別な体験です。友人との貸し借りができたり、お店に買いに行く楽しみも生まれます。
なぜ新品のプレーヤーを選ぶべきか
カセットテープの再流行により、中古から新品まで様々なプレーヤーが市場に出回っていますが、価格も性能もピンキリで選択が難しいのが現状です。
カセットデッキはモーターをはじめとする機械的な部品が多く、故障しやすいガジェットです。中古品となると、適切なメンテナンスができる技術も必要になってきます。
その点、「MXCP-P100」は新品なので故障リスクが低く、1万円台という手頃な価格設定で、カセット初心者にも推奨できます。何より、60年以上にわたってカセットテープを製造し続けてきたマクセルによるプレーヤーという信頼感は大きなメリットです。
まとめ:デジタル時代のアナログな贅沢
マクセル「MXCP-P100」は、現代の利便性とカセットテープの魅力を見事に融合させた製品です。Bluetooth接続による使いやすさと、物理メディアならではの音楽体験を両立しています。
サブスクリプション全盛の今だからこそ、音楽を「所有する」という感覚を改めて味わってみませんか。カセットテープという実体のある音楽メディアがもたらす、特別な音楽体験をぜひ体感してみてください。
昭和生まれには懐かしく感じるアイテムであり、平成・令和生まれにはレトロなニューアイテムになると思う。