NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクが提供している2年契約プランの解約料を、現在の9500円から1000円に値下げすると
日経新聞や朝日新聞が報じてます。
ただ、総務省は「決まった事実はない」としていますが、総務省はかねてから、通信料金と端末代金を切り分ける「分離プラン」を義務化したいと思っている。
そこに、ユーザーに対して、携帯キャリアの解約を不当に妨げる契約をしてはいけないことを示す内容も盛り込まれていることが、今回の報道の根拠になっているようです。
ここでは、なぜ、解約料が1000円なのか、そして、それはユーザーにとって本当に得になるのだろうかという話をしたいと思います。
携帯電話の通信料金が高すぎる問題
総務省の「家計調査」によると、1世帯あたりの1年間の携帯電話料金は、2017年に初めて10万円を突破している。
6年前と比較すると、約2万円上昇していることになる。
これを踏まえた上で、2018年8月に菅官房長官が「携帯料金を4割程度下げる余地があるのではないか」の発言につながるわけです。
そして、2019年5月には、国会で顧客の過度な囲い込みを禁じる改正電気通信事業法が成立している。
過度な囲い込みを禁じる法律が成立したが、足枷になるのが、途中解約の違約金だ。
通信事業者からすれば、通信料から利益を得ているわけだから利用者が減るのはうれしくない。
そのため、あの手この手で利用者を囲い込もうとする。端末購入時の割引や新規顧客の割引などがそれだ。
途中解約を防ぐために違約金を設けるのもそうです。
しかし、実際は、大手キャリアは談合しているかのごとく、料金差はほぼない。
そう、事業者間の競争が働いていないわけです。
また、料金形態も複雑化し一見安いように見えて実は大手キャリア3社と横並び状態で利益を得ている状態が長らく続いている。
総務省はそこにメスを入れようとしているわけですが、空回りしている感は否めない・・・・
解約料が上限1000円の根拠は?
違約金が9500円といのみ、特に根拠があるわけではなさそうですよね。安すぎると解約の歯止めにならないし、高すぎる場合もそれはそれで、問題になるわけで、その中間が9500円ってところなんでしょうね。
今回、総務省が上限を1000円という根拠はどこにあるのだろうか?
「解約料については現在も有識者会議で議論している最中で、決まったものはない」としているが、総務省が実施したアンケート調査で、約8割のユーザーが解約料で許容できる水準が1000円だったためとされている。
9500円から1000円になれば、かなりインパクトがある。実際契約を縛られているとしても、1000円であれば、他のキャリアやMVMOへ乗り換えやすくもなる。
私自身、docomoを利用していた時は、月6000円程度支払いをしていた。いまは、mineoへ移行し、月1700円程度になっている。
※端末代は含んでません。
MVMOの事業者は、キャリアから回線をレンタルしているのも関わらず、この料金が実現できるのであれば、キャリアは相当ぼったくりのように感じてもおかしくはない。
現在の携帯料金の問題点
端末代金の割引上限を「2万円」
とするとの内容も報道されていたが、まだ、具体的な数字は決まっていない。
ここにもメスを入れようとしているわけですが、根本的な携帯料金の問題があるからだと思われる。
それは、契約後利用者が支払う通信料を見込んで、携帯端末を安く販売する仕組みだ。
端末が安くなるので、いいのではと思ってしまうが、これには落とし穴がある。割引販売の元手はキャリアが負担しているわけではない。
通信料で賄われている。その通信料は、端末を買い換えず利用している通信料も補填されているわけです。
つまり、2年契約で端末割引があるなら、2年毎に、新しい端末へ変えてる人が一番得をし、端末を買い換えず、同じキャリアにとどまっている人はただ、新規利用者や2年毎に端末を変えている人の割引分を負担していることになる。
これは不公平じゃないか?
というところから、端末と通信料の「分離プラン」を総務省は義務化したいと思っているわけです。
しかし、実際は、大手キャリアは料金プランを複雑化し実質そこまで安くはなっておらず、のらりくらりと、お茶を濁す感じで安くなりますと謳っている。
違約金上限1000円はユーザーにとって本当に得か?
まだ、確定したわけではないが、違約金の上限が1000円になった場合、本当にユーザーは得なんだろうか?
メリットとして浮かぶのが、以下2点
- ユーザーが途中解約しやすくなる
- ユーザーが移行しやすくなるため各キャリアでの顧客獲得合戦が起こる
ユーザーがキャリアに縛られず、移動しやすくなるは移行を考えている人にはハードルが下がるので、ありがたい話になるでしょう。
また、ユーザーが流動的に動くとなると、キャリアは顧客獲得のために、新プランや移行割引など事業者間の競争が働くので自分にあったプランなどでてくるかもしれない。
また、新規ユーザー獲得ばかりに力を入れるとキャリアとしては利益が安定しないくなるため、長期ユーザーも割引率が上がる可能性もある。
しかし、同時に懸念点もある。
値下げ競争が激化すると料金プランが複雑化する可能性が高い。
たとえば、「クレジットカード契約するなら安くなる」や「ネット回線もセットなら安くなる」、「固定電話を契約すれば安くなる」など逆に移行しずらい状況になる可能性もある。というかすでに似たようなサービスがある。
例えば、「ネット契約すれば、PCが安く買えます」などだ。
また、次々新しくなる端末に乗り換えたい人にとっては、あまりメリットは感じられないようになるとも思わる。
端末代と通信料が完全分離されれば、高い端末を2年程度で乗り換えるわけだから、負担は増えると思われる。
2年縛りによる通信料の割引額は月170円までに制限
いわいる2年縛りに規制が入る予定だ。
2年縛りによる通信料の割引額が月170円までに制限される。期間縛りがない基本料金での価格競争を促すためとなっているが、各キャリアが談合のように価格をそろえると、月額170円しか割引されず、結局高い料金を払う羽目になりそうだ。
まとめ
解約料が本当に1000円になるのかはまだ、分からないが、解約料について実際に議論、調査していること踏まえる解約料は値下げされることは確実だと思う。
今後は、料金プランの種類も増えることが予想できるので、ユーザーはより、各社のプランを把握しておかなければ、損をする可能性があるでしょうね。
このままだと、実質値上げになるプランしか残らない予感がしてならない・・・・